2020年 国家一般職(高卒 技術) No.88 建築構造設計 解説

 問 題     

鋼構造に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 鋼は炭素量の違いによって性質が変わるが、一般に、鋼構造では最硬鋼が用いられる。

㋑ リベットは、導入ボルト張力が所要の値になるまで締め付けると、破断溝が破断してピンテールが取れる。

㋒ H 形鋼の断面には曲げ作用に強い方向と弱い方向があるので、一般に、単一材の柱として用いる場合には配置する方向に注意する。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑
5.㋒

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

㋐ ですが
地震国である日本においては、柔らかく粘り強い性質が求められるため「一般に・・・最硬鋼が用いられる」という記述は誤りと考えられます。㋐ は誤りです。

㋑ ですが
トルシア形高力ボルトについての記述です。ちなみにトルシアは torque (締め付け)とshear 破断 という言葉から作られた造語とのことです。㋑ は誤りです。

ちなみに、リベット(鋲(びょう))は、かしめる(加締める)ことで半永久的に穴のあいた板状のものを重ねて外れないようにする部品のことです。

㋒ は妥当です。
H 型鋼の柱の断面には、曲げ作用に強い方向と弱い方向があります(H27 no87 鋼構造)。

以上より、正解は 5 です。

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