公務員試験 2019年 国家一般職(行政) No.35解説

 問 題     

ある個人の効用関数を U = 2 √w(U:効用水準,w:所得)とする。この個人が農業を営む場合,豊作のときは所得が400,不作のときには所得が 100 となる。また,豊作になる確率と不作になる確率はそれぞれ 60 %,40 % である。一方,この個人が隣町にある企業で働くと,農業からの所得はゼロになるが,企業から固定給である所得 M をもらえるようになる。

この個人は,Mが最低限いくらよりも大きければ,農業を営むのではなく,企業で働くことを選択するか。ただし,この個人は期待効用が最大になるように行動するものとする。

1. 140
2. 225
3. 256
4. 280
5. 324

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

豊作の時、所得が 400 なので、U = 2 × √400 = 2 × 20 = 40 です。一方、不作だと、所得が 100 なので、U = 2 × √100 = 2 × 10 = 20 です。それぞれ 60%、40% なので、40 × 0.6 + 20 × 0.4 = 24 + 8 = 32 が期待値となります。

選択肢に注目して考えると、w = 256 であれば、U = 2 × √256 = 2 × 16 = 32 です。従って、企業からもらえる固定給が 256 以上であれば、企業で働くことを選択するのが合理的と考えられます。

以上より、正解は 3 です。

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