R2年 水質有害物質特論 問6 問題と解説

 問 題     

ひ素排水の処理に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 排水中のひ素の形態には、ひ酸イオンと亜ひ酸イオンがある。
  2. ひ酸は重金属と共存する場合、pH調整するだけで共沈することが多い。
  3. 亜ひ酸は、オゾンでは酸化できるが、次亜塩素酸ナトリウムでは酸化できない。
  4. 3価のひ素よりも5価のひ素のほうが共沈処理は容易である。
  5. 共沈剤としては、アルミニウム塩より鉄塩のほうが効果が高い。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(1)の記述は正しく、排水中のひ素の形態には、5価のひ酸イオン[AsO4]3-と3価の亜ひ酸イオン[AsO3]3-があります。これらを比較すると、(4)にも書かれている通り、ひ素(Ⅲ)(=亜ひ酸イオン)よりもひ素(Ⅴ)(=ひ酸イオン)のほうが共沈処理は容易です。

よって、ひ素排水を処理する際には、まず亜ひ酸イオン(Ⅲ)をひ酸イオン(Ⅴ)に酸化してから、共沈処理をするのが一般的です。

これには、酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムやオゾン、過酸化水素などが用いられます。一方、空気(酸素)では酸化反応が起こりません。

以上から、(3)の後半部分「次亜塩素酸ナトリウムでは酸化できない」が誤りであると判断することができます。

よって、正解は(3)です。

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