試験の概要

試験の概要

公害防止管理者試験には、13の区分があります。大気1種~4種、水質1種~4種、特定粉じん、一般粉じん、騒音振動、ダイオキシン、主任の計13区分です。
このサイトではこのうち、大気1~4種と水質1~4種の受験科目について扱っています(また、大気1~4種を扱うことにより、特定粉じんの受験科目もカバーしています)。
各区分の受験者は区分ごとに定められた複数の科目を受験することになりますが、それら全ての科目で合格した場合に資格取得となります。

受験資格

必要な条件はありません。どなたでも受験可能です。

試験の日程

以下の日程は例年の流れを載せているだけです。最新の正確な日程については試験センターのホームページ等でご確認ください。

  • 受験申込期間:7月上旬~下旬頃の約1か月間
  • 試験本番:10月上旬の日曜日(第1or第2日曜日)
  • 解答公表:試験日の1週間以内(早ければ翌日)
  • 合格発表:12月中旬頃

合格率

令和2年度の合格率は以下の通りです。これは総受験者(申込者数ではなく出席者数)に対する最終合格者の割合なので、一発合格というわけではありません。一発合格者のほか、科目別合格制度を利用しつつ2年目や3年目で合格した方の分も含まれます。

  • 大気1種:23.6%
  • 大気2種:21.0%
  • 大気3種:19.4%
  • 大気4種:17.8%
  • 水質1種:30.4%
  • 水質2種:17.9%
  • 水質3種:33.2%
  • 水質4種:20.7%

試験科目

( )内の数字はその科目の問題数です。

  • 大気1種:公害総論(15)、大気概論(10)、大気特論(15)、ばいじん・粉じん特論(15)、大気有害物質特論(10)、大規模大気特論(10)の6科目
  • 大気2種:公害総論(15)、大気概論(10)、大気特論(15)、ばいじん・粉じん特論(15)、大気有害物質特論(10)の5科目
  • 大気3種:公害総論(15)、大気概論(10)、大気特論(15)、ばいじん・粉じん特論(15)、大規模大気特論(10)の5科目
  • 大気4種:公害総論(15)、大気概論(10)、大気特論(15)、ばいじん・粉じん特論(15)の4科目
  • 水質1種:公害総論(15)、水質概論(10)、汚水処理特論(25)、水質有害物質特論(15)、大規模水質特論(10)の5科目
  • 水質2種:公害総論(15)、水質概論(10)、汚水処理特論(25)、水質有害物質特論(15)の4科目
  • 水質3種:公害総論(15)、水質概論(10)、汚水処理特論(25)、大規模水質特論(10)の4科目
  • 水質4種:公害総論(15)、水質概論(10)、汚水処理特論(25)の3科目

答案用紙は5肢択一のマークシートで、試験時間はその科目の問題数が10問だと35分、15問だと50分、25問だと75分です。いずれの科目も、例年、6割を取れば合格となります(問題の難易度によって合格基準を変えられるという決まりがありますが、近年、基準が動いた例はありません)。

科目別合格制度

試験に合格するためには該当する複数の科目全てにおいて合格点を取らなければなりませんが、科目別合格制度というものがあります。これは、一部の科目だけ合格点を取った場合、翌年と翌々年の試験の際に、その科目は免除されるという制度です。つまり、3年以内に該当する全ての科目を制覇すれば合格となります。

ただし、3年以内に決着がつかなかった場合、1年目に合格した科目は受け直さなければなりません。また、例えば大気1種に合格している場合、次に水質1種を受験する際、すでに合格している「公害総論」は免除となります。

出題範囲

公害総論
  • 環境基本法及び環境関連法規の概要に関すること
  • 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律体系に関すること
  • 環境問題全般に関すること
  • 環境管理手法に関すること
  • 国際環境協力に関すること
大気概論
  • 大気汚染防止対策のための法規制に関すること
  • 大気汚染の現状に関すること
  • 大気汚染の発生機構に関すること
  • 大気汚染による影響に関すること
  • 国又は地方公共団体の大気汚染防止対策に関すること
大気特論
  • 燃料に関すること
  • 燃焼計算に関すること
  • 燃焼方法及び燃焼装置に関すること
  • 排煙脱硫技術に関すること
  • 窒素酸化物排出防止技術に関すること
  • 測定に関すること
ばいじん・粉じん特論
  • 処理計画に関すること
  • 集じん装置の原理、構造及び特性に関すること
  • 集じん装置の維持・管理に関すること
  • 一般粉じん発生施設と対策に関すること
  • 特定粉じん発生施設と対策、測定に関すること
  • ばいじん・粉じんの測定に関すること
大気有害物質特論
  • 有害物質の発生過程に関すること
  • 有害物質処理方式に関すること
  • 特定物質の事故時の措置に関すること
  • 有害物質の測定に関すること
大規模大気特論
  • 拡散現象一般に関すること
  • 拡散濃度の計算法に関すること
  • 大気関係環境影響評価のための拡散モデルに関すること
  • 大気環境濃度の予測手法に関すること
  • 大規模設備の大気汚染防止対策の事例に関すること
水質概論
  • 水質汚濁防止対策のための法規制に関すること
  • 水質汚濁の現状に関すること
  • 水質汚濁の発生源に関すること
  • 水質汚濁の機構に関すること
  • 水質汚濁の影響に関すること
  • 国又は地方公共団体の水質汚濁防止対策に関すること
汚水処理特論
  • 汚水等処理計画に関すること
  • 物理・化学的処理法に関すること
  • 生物的処理法に関すること
  • 汚水等処理装置の維持・管理に関すること
  • 測定に関すること
水質有害物質特論
  • 有害物質の性質と処理に関すること
  • 有害物質含有排水処理施設の維持・管理に関すること
  • 有害物質の測定に関すること
大規模大気特論
  • 水質汚濁物質の挙動に関すること
  • 処理水の再利用に関すること
  • 大規模設備の水質汚濁防止対策の事例に関すること

電卓の使用

この試験では以下の条件に合う電卓の使用が認められています。要するに、関数電卓は使えないということです。そんなに複雑な計算は要求されないので簡素な電卓で充分です。

使用できる電卓の種類:「四則演算」、「開平計算」、「百分率計算」、「税計算」、「符号変換」、「数値メモリ」、「電源入り切り」、「リセット及び消去」、「時間計算」のみの機能を有する電卓

ちなみに、当サイトの管理人が使っているものは以下の電卓です。押したときの反応が早く、素早く入力してもきちんと認識されるので、気に入っています。