R1年 大気概論 問5 問題と解説

 問 題     

光化学オキシダント(Ox)に関する大気汚染の状況についての記述として、誤っているものはどれか。

  1. Oxの測定方法には、中性ヨウ化カリウム溶液を用いる吸光光度法、紫外線吸収法などがある。
  2. 2016(平成28)年度の一般環境大気測定局は1143局であり、環境基準の達成状況は0.1%であった。
  3. 2016(平成28)年度の自動車排出ガス測定局は29局であり、環境基準の達成状況は0%であった。
  4. 2016(平成28)年度の一般環境大気測定局における昼間の1時間値の濃度レベル別割合をみると、1時間値が0.06ppm以下の割合は約65%であった。
  5. 2017(平成29)年における光化学オキシダント注意報等の発令延べ日数は87日であり、2016(平成28)年よりも増加した。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

(1)は正しい記述です。より詳しくいえば、光化学オキシダントの測定方法には以下の4つがあります。

  • 中性ヨウ化カリウム溶液を用いる吸光光度法
  • 中性ヨウ化カリウム溶液を用いる電量法
  • 紫外線吸収法
  • エチレンを用いる化学発光法

(2)、(3)、(5)についてはいずれも正しい記述です。(2)や(3)に書かれている通り、光化学オキシダントの環境基準の達成率はとにかく低いというのが特徴的です。

環境基準の達成率に関する最新の数値はこちらのページにまとめておくので、併せて参照してください。

以上から、残る(4)が誤りの選択肢であることがわかります。この文章の「約65%」が誤りで、正しくは「93.5%」となりますが、これはかなりマイナーなデータからの出題といえます。

一方で(1)~(3)、(5)は重要事項なので、この問題は消去法で正解を選ぶのが妥当な解法だと思います。

コメント