H30年 水質有害物質特論 問3 問題と解説

下図は亜硫酸塩還元法によるクロム(Ⅵ)排水処理中のORP電位の変化を示したものである。この図に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

同じ亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)注入量でも、pHにより(1)ORPが異なるので、pHにより(2)ORP制御値の設定を変える必要がある。pH3では(3)ORPの変化が緩やかで、処理に必要な(4)NaHSO3注入量が少なくなり(5)薬注制御は難しくなる

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

図を見るとpHの違いによって◯と△と□という、それぞれ異なった線が描かれています。よって、pHが変わるとORPも変わり、それに応じた制御をしなければならないので、(1)と(2)は正しいといえます。

また、pH1.0(図の◯)とpH2.0(図の△)では、NaHSO3が約200mg/LのところでORPが急激に変化しています。しかし、pH3.0(図の□)はNaHSO3の変化に対してORPが急に変化しているようには見えません。よって、(3)も正しいです。

上記の通り、pH1.0(図の◯)やpH2.0(図の△)では、NaHSO3=200mg/L前後でORPは大きく下がり、もしNaHSO3を過剰に入れてしまってもORPへの影響は小さいです。一方で、pH3.0(図の□)の場合はNaHSO3をたくさん入れないとORPが下がらない上、過剰に入れるとその量に応じてORPが変化し続けます。

よって、(4)の「NaHSO3注入量が少なくなり」が誤りで、「NaHSO3注入量が多くなり」となります。また、ORPが変化し続けると制御が難しくなるので、(5)は正しいです。

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