H30年 汚水処理特論 問17 問題と解説

生物的硝化脱窒法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 硝化工程では処理槽内のpH低下を防ぐために、アルカリの添加が必要となる場合がある。
  2. 脱窒工程で硝酸や亜硝酸が還元される際には、水素供与体が必要になる。
  3. 硝化菌の増殖速度は、BOD酸化にかかわる従属栄養細菌に比べて非常に小さく、処理系内に維持するためにはSRTを大きくとる必要がある。
  4. 硝化菌の増殖速度は、BOD酸化にかかわる従属栄養細菌に比べて温度により大きく影響を受け、低水温では硝化速度が著しく低下する。
  5. 硝化菌は独立栄養細菌であるため、一般に毒性物質に対してはBODにかかわる従属栄養細菌に比べて耐性がある。

 

 

 

 

 

正解 (5)

硝化工程に関与する微生物(硝化菌)は、アンモニア態窒素や亜硝酸態窒素の酸化によりエネルギーを得る、無機炭素化合物を利用して増殖する独立栄養細菌です。しかし、独立栄養細菌だから毒性物質に対して耐性がある…というような関係は特にありません。

むしろ、硝化菌は一般的な従属栄養細菌よりも毒性物質に弱いという特徴があります。

硝化菌が毒性物質に弱いという特徴を知らなかったとしても、独立栄養細菌であることを理由に毒性に強いと主張しているのは明らかに不自然であるため、(5)の記述が誤りであると判断できます。

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