H30年 大規模大気特論 問4 問題と解説

主要な煙突排ガス上昇式の一つであるモーゼスとカーソンの式に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 浮力上昇高さを表す項と運動量上昇高さを表す項の和の形をとる。
  2. 同じ排ガスでも、大気の安定度により上昇高さは変わる。
  3. 同じ排ガスでも、外気温が高くなると上昇高さは大きくなる。
  4. 浮力の効果(浮力上昇高さ)は、排出熱量の2分の1乗に比例する。
  5. 上昇高さは、煙突高さにおける風速に反比例する。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

モーゼスとカーソンの式というのは、大気安定度を考慮して煙突排ガスの上昇高さを推定する計算式です。その式は以下の通りで、運動量の項と浮力の項の和で表されます。

  • ΔH:煙突排ガスの上昇高さ [m]
  • C1、C2:大気安定度によって変わる定数
  • vg:排ガスの吐出速度 [m/s]
  • D:煙突出口径 [m]
  • QH:排出熱量 [W]
  • u:風速 [m/s]

以上を踏まえて選択肢を見ていきます。

(1)は正しく、上式の1項目が運動量上昇高さを表し、2項目が浮力上昇高さを表しています。

(2)も正しく、C1、C2は大気安定度によって変わる定数なので、それに応じてΔHも変動します。

(3)が誤りで、この式に外気温というパラメータは使われていません。よって、温度変化が生じてもΔHには影響が出ません。

(4)は正しいです。式中のQHが2分の1乗となっていることからわかります。

(5)も正しいです。式中のuが分母にあるので、ΔHとは反比例の関係です。

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