H28年 汚水処理特論 問5 問題と解説

活性炭の吸着を表す、次のフロイントリッヒの式の説明として、誤っているものはどれか。

ここで、Xは活性炭の単位質量当たりの溶質吸着量、Cは平衡濃度、kとnは定数である。

  1. 一定温度における平衡状態での溶質吸着量を表す式である。
  2. 両対数グラフにCとXとの関係をプロットすることにより、k及びnの値を得る。
  3. kが大きいと、溶質吸着量は大きい。
  4. nが小さいと、低濃度から高濃度まで溶質をよく吸着する。
  5. nが大きいと、高濃度では溶質吸着量が著しく小さくなる。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

フロイントリッヒの式は(1)にある通り、一定温度における平衡状態での溶質吸着量を表しています。吸着量Xを決めるための変数は濃度Cのみで、kとnは(2)の記述のようにして得られる定数です。よって、(1)も(2)も正しい記述です。

(3)について、kが大きければ問題文で与えられた式よりXも大きくなるので、これも正しい記述です。

(4)で、nは濃度Cの指数(べき乗)なので、nが小さければ濃度Cが高くなっても低くなってもXに与える変動が小さくなり、低濃度から高濃度まで濃度を問わず溶質をよく吸着するといえます。

(5)は(4)とは反対にnが大きいときの話ですが、このときは濃度Cが少し変わるだけでXも大きく変動します。(5)では高濃度(Cが大きい)条件なので、フロイントリッヒの式から溶質吸着量Xも大きくなることがわかります。よって、「著しく小さくなる」ではなく、正しくは「著しく大きくなる」となります。

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