H28年 汚水処理特論 問4 問題と解説

塩素又はオゾンによる酸化に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 水中にアンモニアが存在すると、塩素と結合してクロロアミンを生じる。
  2. 塩素を水に溶かすと、pHが9.5以上ではClOはほとんど存在しない。
  3. 塩素は水の消毒や水中の有機物の酸化分解に用いられる。
  4. オゾンは塩素より強い酸化力を有する。
  5. オゾン発生には、高圧無声放電法を用いている。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

塩素を水に溶かすと次亜塩素酸(HClO)が生成しますが、これはpHによって分子の形をとったりイオンの形をとったりします。

上記の化学反応式を見てもわかる通り、酸性条件下ではプロトン(H+)が増えるので、ルシャトリエの原理により平衡の矢印が左側に傾きます。よって、この場合、次亜塩素酸はイオンの形(ClO)ではなく分子の形(HClO)を取りやすくなります。

一方、塩基性条件下ではプロトン(H+)がなくなるので平衡の矢印は右側に傾き、次亜塩素酸は分子の形(HClO)からイオンの形(ClO)へと変化します。

よって、(2)に関して、pHが9.5以上でほぼ存在しないのは「ClO」ではなく「HClO」のほうです。

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