H27年 水質概論 問6 問題と解説

有害藻類、ミクロシスチスに関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

ミクロシスチスは毒性のある多種類の(1)ミクロキスチィン(microcystins)を産生する。WHOではその中で最も高い毒性を示すとされる(2)microcystin-LRについてガイドラインを示している。

WHOの暫定指針値は、飲料水で(3)0.001mg/Lであるが、我が国の(4)厚生労働省は要検討項目とし、目標値として(5)0.008mg/Lとしている。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

水質基準が明確に定められている物質ではなく要検討項目の物質で、かつ、目標値を問う問題は珍しいです。ここまでの知識を押さえている人はそう多くないと思うので、この問題は捨て問題にしてしまっても仕方ないかもしれません。

では、正解できるのは全く5分の1の確率かといえばそうではなく、問題文を解読していけば、2分の1までは絞り込めます。

というのも、問題文の(3)と(5)のあたりを読むと、WHOの指針値が0.001mg/Lで、日本の目標値が0.008mg/Lということです。しかし、日本の定める目標値が世界基準(WHO)の8倍もの濃度を許容しているとは考えにくいため、(3)か(5)のいずれかが誤りだと判断できます。

ちなみに、正しくは(5)の値が0.008mg/Lではなく、0.0008mg/Lとなります(覚えなくていいと思いますが)。

コメント