H27年 水質概論 問5 問題と解説

水質汚濁指標に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. BODは、生物分解されやすい有機物量の指標として用いられる。
  2. 公共用水域の水質基準では、河川にはBODが、湖沼や海域にはCODが適用される。
  3. TOCは、有機物の全量を表す指標として用いられる。
  4. VSSは、水中に溶存している有機物量を表す指標として用いられる。
  5. 底層水のDOは、閉鎖性水域の有機汚濁の程度の有効な指標となる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

(4)のVSSはVolatile Suspended Solidsの略で、「浮遊物質の強熱減量」のことです。SSを600℃で強熱したときに揮発したSS分ということになります。

強熱して揮発するのは有機物、残るのは無機物なので、VSS(浮遊物質の強熱減量)は浮遊物質中の有機物量を表す指標として用いられます。

よって、(4)の「水中に溶存している有機物量」が誤りで「浮遊物質中の有機物量」と直すと正しい文章になります。

また、そもそもSS(浮遊物質)は水に溶けていない物質のことなので、この点からも(4)の「水中に溶存している」がおかしいと判断できます。

ちなみに、もし「水中に溶存している有機物量」が知りたい場合は、VSSではなく溶存酸素(DO)がその指標となります。

溶存酸素(DO)が少ないところでは、一般的に微生物がたくさんいます(微生物の呼吸により、溶存酸素が減っています)。微生物が繁殖できるということは、それだけ餌となる有機物がたくさんあるということなので、溶存酸素が低い=有機物量が高い、となり、溶存酸素は有機物質を表す指標として使えます。

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