石灰スラリー吸収法排煙脱硫装置の維持管理に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 排ガス通風圧力損失の増大は、主にガス流路の固形物付着による狭隘化に起因する。
- 吸収液のpHが低くなると、脱硫率が低下する。
- 吸収液のpHを高くすると、石こうの純度が高くなる。
- 酸化反応用空気ノズルは、空気量が不足すると詰まりやすくなる。
- ガス及び液の温度管理は、装置材料の劣化防止にも効果がある。
正解 (3)
解 説
吸収液のpHは6程度の中性~弱酸性にしておくと、高脱硫率を維持したままスケーリングを防止でき、石こうの純度が高くなります。
吸収液のpHがあまり酸性側に寄り過ぎると、CaCO3スラリーがSO2を吸収してCaSO3・1/2H2Oとなる以下の反応が進行しづらく、脱硫率が低下します。
一方、塩基性側に寄るほど脱硫率は上がるものの、CaSO3・1/2H2Oの溶解度が下がって析出してしまうため、スケールが発生しやすくなります。そのため、過剰の吸収剤が必要となり、石こうの純度が低下します。
これらの兼ね合いを考えると、ちょうど良いpHは大体6程度となります。
よって、(3)のように吸収液のpHを高くすることは、石こうの純度を低下させるので、これが誤りの選択肢となります。
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