H26年 大気特論 問9 問題と解説

石灰スラリー吸収法排煙脱硫装置の維持管理に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 排ガス通風圧力損失の増大は、主にガス流路の固形物付着による狭隘化に起因する。
  2. 吸収液のpHが低くなると、脱硫率が低下する。
  3. 吸収液のpHを高くすると、石こうの純度が高くなる。
  4. 酸化反応用空気ノズルは、空気量が不足すると詰まりやすくなる。
  5. ガス及び液の温度管理は、装置材料の劣化防止にも効果がある。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

吸収液のpHは6程度の中性~弱酸性にしておくと、高脱硫率を維持したままスケーリングを防止でき、石こうの純度が高くなります。

吸収液のpHがあまり酸性側に寄り過ぎると、CaCO3スラリーがSO2を吸収してCaSO3・1/2H2Oとなる以下の反応が進行しづらく、脱硫率が低下します。

一方、塩基性側に寄るほど脱硫率は上がるものの、CaSO3・1/2H2Oの溶解度が下がって析出してしまうため、スケールが発生しやすくなります。そのため、過剰の吸収剤が必要となり、石こうの純度が低下します。

これらの兼ね合いを考えると、ちょうど良いpHは大体6程度となります。

よって、(3)のように吸収液のpHを高くすることは、石こうの純度を低下させるので、これが誤りの選択肢となります。

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