H26年 大気概論 問6 問題と解説

IPCCの第四次報告書によると、次の温室効果ガスのうち、大気中寿命の最も長いものはどれか。

  1. 一酸化二窒素
  2. 二酸化炭素
  3. メタン
  4. トリクロロフルオロメタン(CFC-11)
  5. トリフルオロメタン(HFC-23)

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

まず、(2)の二酸化炭素は特定の大気中寿命を持ちません。それは、二酸化炭素が大気と海洋と陸上生物圏の間を連続的に循環し、時間スケールの異なるさまざまな過程が関与しているため、一概に大気中寿命を確定できないからです。そこで、二酸化炭素も長寿命ガスの一種ではありますが、ここでは除外します。

ほかの選択肢を含め、主要な温室効果ガスの大気中寿命は次の通りです。(IPCC 2021より)

  • 六フッ化硫黄:1000年
  • HFC-23   :228年
  • 一酸化二窒素:109年
  • CFC-11   :52年
  • HCFC-22   :12年
  • メタン   :12年
  • 二酸化炭素 :なし (一定ではなく変動する)

よって、選択肢の中では(5)の「トリフルオロメタン(HFC-23)」が最も長寿命となるので、正解は(5)です。

細かい数字を覚えておく必要はないかと思いますが、類題がたまに出題されているので、大まかな長短関係は押さえておくとよいかもしれません。

コメント