H25年 汚水処理特論 問2 問題と解説

密度が0.90g/cm3、直径が0.015cmの油滴の水中における上昇速度が、0.12cm/sであった。密度が0.95g/cm3、直径が0.010cmの油滴の水中の上昇速度(cm/s)は、およそいくらか。ただし、水の密度を1.0g/cm3とする。

  1. 0.013
  2. 0.027
  3. 0.040
  4. 0.053
  5. 0.11

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

粒子の沈降速度を求める式にストークスの式がありますが、これは油滴の上昇速度を求める際も同様に使えます(粒子は水より重いので沈み、油滴は水より軽いので浮かぶというだけで、分離という現象に違いはないからです)。ストークスの式は以下の通りとなります。

  • v:沈降速度(ここが負の場合には上昇速度)
  • d:粒子径
  • ρ:粒子の密度
  • ρ0:液体の密度
  • g:重力加速度
  • η:液体の粘性

上式の各パラメータに問題文の1行目の数値を代入していきます。つまり、v=-0.12[cm]、d=0.015[cm]、ρ=0.90[g/cm3]、ρ0=1.0[g/cm3]、g=980[cm/s2]を代入して計算すると、

となります(vを負の数にしているのは、この式がもともと沈降速度の式であり、この式を使って逆方向の上昇速度を表すためです)。

今度は、求めたηと問題文の2行目の数値を、同じ式に代入していきます。つまり、d=0.010[cm]、ρ=0.95[g/cm3]、ρ0=1.0[g/cm3]、g=980[cm/s2]、η=0.01[g/(cm・s)]を代入して計算すると、

となります。くどいようですが、沈降速度が負ということは、沈降の逆、つまり上昇速度を表していることになります。

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