問 題
ひ素排水の処理に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 排水中のひ素の形態には、ひ酸イオンと亜ひ酸イオンがある。
- ひ酸は重金属と共存する場合、pH調整するだけで共沈することが多い。
- 亜ひ酸は、オゾンでは酸化できるが、次亜塩素酸ナトリウムでは酸化できない。
- 3価のひ素よりも5価のひ素のほうが共沈処理は容易である。
- 共沈剤としては、アルミニウム塩より鉄塩のほうが効果が高い。
正解 (3)
解 説
(1)の記述は正しく、排水中のひ素の形態には、5価のひ酸イオン[AsO4]3-と3価の亜ひ酸イオン[AsO3]3-があります。これらを比較すると、(4)にも書かれている通り、ひ素(Ⅲ)(=亜ひ酸イオン)よりもひ素(Ⅴ)(=ひ酸イオン)のほうが共沈処理は容易です。
よって、ひ素排水を処理する際には、まず亜ひ酸イオン(Ⅲ)をひ酸イオン(Ⅴ)に酸化してから、共沈処理をするのが一般的です。
これには、酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムやオゾン、過酸化水素などが用いられます。一方、空気(酸素)では酸化反応が起こりません。
以上から、(3)の後半部分「次亜塩素酸ナトリウムでは酸化できない」が誤りであると判断することができます。
よって、正解は(3)です。
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