R1年 大気特論 問11 問題と解説

 問 題     

排煙脱硝技術に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. アンモニア接触還元法で用いられる主な触媒は、酸化チタンを担体とし、酸化バナジウムを活性金属とするものである。
  2. アンモニア接触還元法では、排ガス中のNOと注入したアンモニアが1:1のモル比で反応する。
  3. 活性炭法は、NOxだけでなく、SOxも除去できる。
  4. 無触媒還元法には、アンモニア接触還元法よりも高温が必要である。
  5. 酸化還元法は、NOxをオゾン又は二酸化塩素で酸化し、硫酸カルシウム溶液に吸収させる方法である。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

排煙脱硝技術には、乾式に分類されるアンモニア接触還元法・活性炭法・無触媒還元法と、湿式に分類される酸化還元法があります。

このうち湿式の酸化還元法は、NOをオゾンや二酸化塩素で酸化してから亜硫酸ナトリウム溶液に吸収させることで脱硝を行う方法です。

よって、(5)の「NOx」と「硫酸カルシウム溶液」が誤りで、それぞれ「NO」、「亜硫酸ナトリウム溶液」に直すと正しい文章になります。

先に(5)の後半(2段階目)の反応から説明します。還元剤を含んだ吸収液と排ガスが接触すると、排ガス中のNO2が亜硝酸(HNO2)となり液側に吸収されるため、排煙脱硝が成立します。この吸収液には亜硫酸ナトリウム溶液が使われることが多いです。硫酸カルシウムは還元剤ではないので不適です。

(5)の前半(1段階目)の反応は、2段階目の反応の準備としてNOをNO2に酸化させる反応です。初めからNO2である分についてはこれ以上酸化されないので、この反応は起こりません。よって、ここでは「NOx」ではなく「NO」とするのが正しいです。

以上から、正解は(5)となります。

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