モデルによらない薬物動態の解析法

「モデル非依存性」の解析のイメージをつかむ例として

「マウスにある薬物を1mg投与すると、3時間後に血中濃度が 3、6時間後に 1.5,,, 、ある薬物を10mg投与すると3時間後に血中濃度が 27 、6時間後に 15,,,  といった、様々な場合の動態がわかっている場合」を考えます。

このような状況で「さて、CLやke は何だろう」とか「吸収にどれくらい時間がかかっているんだろう」という「結果の解析」に、モデル非依存性の解析は力を発揮します。代表例が「モーメント解析法」です。

※一方、これから薬を飲むマウスや人の未来の血中濃度に対しては何の予測もできません。(あくまでも、結果が先にあり、それを解析する道具です。そのため、企業での仕事で関わる機会が相対的に多いようです。)予測のために使われるのは、コンパートメントモデルなどのモデル依存の解析です。

モーメント解析法で分かるのは、「MRT(平均滞留時間)」、及び「MAT(平均吸収時間)」 と呼ばれるパラメータです。このパラメータから、ke や ka もわかります。

重要な関係式は、以下の通りです。
・MAT=経口時の MRT -静脈投与時のMRT
・静脈投与時の MRT = 1/ke
・経口時の MRT=1/ka + 1/ke

※ke 及び ka はそれぞれ 排出速度定数、吸収速度定数。

以上です。

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