その他の消化性疾患治療薬

その他の消化性潰瘍治療薬は、大きく 6 つに分類されます。

   ⅰ.消化酵素補充薬
   ⅱ.D2 遮断薬
   ⅲ.5-HT 刺激薬
   ⅳ.刺激性下剤
   ⅴ.機械性下剤
   ⅵ.止瀉薬

ⅰ.消化酵素補充薬

このタイプの代表的な薬は
   ・ジアスターゼ
   ・含糖ペプチン
   ・パンクレアチン(リパクレオン)
などが挙げられます。( )の中に書いたのは、商品名の一例です。

ジアスターゼ、含糖ペプチン、パンクレアチンは、消化薬です。消化液分泌不足や食欲不振に対して用いられます。イメージは、消化酵素を補充する薬です。

ⅱ.D2 遮断薬

このタイプの代表的な薬は
   ・メトクロプラミド(プリンペラン)
   ・ドンペリドン(ナウゼリン)
などが挙げられます。

メトクロプラミド、ドンペリドンは、D2 受容体遮断薬です。消化管運動を促進させることにより、悪心、吐き気、食欲不振に用いられます。

ⅲ.5-HT 刺激薬

このタイプの代表的な薬は
   ・モサプリド(ガスモチン)
などが挙げられます。

モサプリドは、5-HT4 刺激薬です。胃腸運動を促進させる働きがあります。慢性胃炎に伴う消化器症状に用いられます。

ⅳ.刺激性下剤

このタイプの代表的な薬は
   ・ヒマシ油
   ・センノシド(プルゼニド)
   ・ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン)
   ・ビサコジル(テレミンソフト)
などが挙げられます。

ヒマシ油、センノシド、ピコスルファートナトリウム、ビサコジルは刺激性の下剤です。

ヒマシ油は小腸を刺激します。

センノシド、ピコスルファートナトリウム、ビサコジルは、大腸を刺激します。

ⅴ.機械性下剤

このタイプの代表的な薬は
   ・酸化マグネシウム
   ・硫酸マグネシウム
   ・カルメロース(バルコーゼ)
   ・ラクツロース(モニラック)
などが挙げられます。

酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、カルメロース、ラクツロースは機械性下剤です。腸の内容物を膨張したり、粘膜の滑りをよくするなどして、下剤として働きます。

ラクツロースは、乳酸菌の増加作用もあります。その結果、アンモニア産生及びアンモニアの腸管吸収を低下させる働きがあり、高アンモニア血症に適応があります。

ⅵ.止瀉薬

このタイプの代表的な薬は
   ・ロペラミド(ロペミン)
   ・トリメブチン(セレキノン)
   ・メペンゾラート(トランコロン)
   ・ベルベリン
などが挙げられます。

ロペラミド、トリメブチン、メペンゾラート、ベルベリンは下痢を止める薬です。止瀉薬と呼ばれます。

ロペラミド、トリメブチンは、オピオイドμ受容体を刺激することにより腸運動を抑制します。

その他の消化性疾患治療薬をまとめると、以下の表になります。

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