アルデヒド・ケトンの性質と反応のページにて、アルデヒド・ケトンの反応は
- 求核付加反応
- α水素での反応
- その他の反応
に大別できると説明しました。このページから 3 ページ分で、真ん中の「α水素での反応」について解説をしていきます。
アルデヒドやケトンについて、カルボニル基に隣接する炭素のことをα炭素といいます(余談ですが、α 位の隣が β 位、さらに隣が γ 位…と続いていきます)。
また、α 炭素に結合する水素のことをα水素といい、この水素が普通よりも酸性度が高いので反応点になり得ます。酸性度が高い理由は、塩基によってα水素が脱離するとエノラートイオンが生成しますが、これが共鳴安定化されているためです。
エノラートイオンは陰イオンであるため、求核剤として様々な反応を起こします。
また、酸性条件においてはアルデヒド(またはケトン)からエノールが生成し、このエノールが求核剤として働きます。この平衡反応のことを、ケト-エノール平衡といいます。
aldol反応・ aldol縮合
aldol(アルドール)反応、aldol縮合という重要な有機反応があります。
aldol反応とは、α水素を有するアルデヒド(またはケトン)が酸もしくは塩基の存在下、2分子間で起きる付加反応のことです。生成物はβ-ヒドロキシルアルデヒドまたはβ-ヒドロキシルケトンとなります。
ここでいう「β」はβ位のことで、カルボニル基の隣(=α位)のさらに隣(=β位)という意味です。
また、この状態からさらに脱水反応が進むこともあり、そうするとα,β-不飽和アルデヒド(ケトン)が得られます。「α,β-不飽和」とは、α炭素とβ炭素の間に二重結合がある、という意味です。
aldol反応に続く脱水反応という一連の反応を、aldol縮合といいます。
反応機構は以下のとおりです。
酸性条件
塩基性条件
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