窒素・イオウ・リン・ハロゲンの酸化物とオキソ化合物

この項では、無機化合物として汎用性の高いN(窒素), S(イオウ), P(リン), X(ハロゲン)の酸化物やオキソ酸について紹介します。

窒素の酸化物

窒素は価電子が5であり、その酸化物には酸化数 +1 ~ +5 と様々な種類があり、その中には吸入麻酔薬や血管拡張因子など、医薬品として用いられるものもあります。

これら窒素酸化物の特徴を以下の表にまとめます。

窒素のオキソ酸

ある原子にヒドロキシル基(-OH基)とオキソ基(=O)が結合した酸のことをオキソ酸といいます。例えば、硝酸(HNO3)は窒素原子に -OH 基と =O基 2つが結合したものなので、硝酸はオキソ酸です。窒素のオキソ酸には、硝酸のほかに亜硝酸もあります。


(左)硝酸 (右)亜硝酸

イオウの酸化物・オキソ酸

イオウ酸化物はイオウの酸化数が+2~+8と幅広い種類があります。

オキソ酸に関しても豊富な種類があり、医薬品として重要なものも多いので、以下にまとめます。

亜硫酸の塩である亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)は抗酸化剤としての効果があるため、医薬品添加物として用いられることがあります。

亜硫酸ナトリウムも同様、抗酸化剤としての用途があります。

チオ硫酸の塩、チオ硫酸ナトリウム水和物(Na2S2O3・5H2O)はヒ素やシアン化合物の解毒剤として用いられたり、抗酸化剤として使われたりします。

リンの酸化物・オキソ酸

リンの酸化物・オキソ酸もまた、医薬品として用いられることがあります。

ハロゲンの酸化物・オキソ酸

ハロゲンの酸化物は不安定な化合物が多く、あまり用いられません。

一方のオキソ酸には酸化力の強いものが多く、漂白剤や殺菌剤として使われることがあります。

表5には塩素のオキソ酸をまとめましたが、「塩素」の部分を他のハロゲンに変えれば他のハロゲンのオキソ酸になります。例えば、「臭素酸」や「過ヨウ素酸」といった具合です。

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