製剤化の単位操作および汎用される製剤機械

製剤化の単位操作とは、薬の成分を製材にする時の基本的な1つ1つの操作のことです。具体的には、粉砕、分級、混合、造粒、乾燥、打錠、コーティング、充てんなどの操作のことです。

粉砕とは、固体粒子の粒子径を小さくするための操作です。ハンマーミルや、ジェットミルといった粉砕装置が用いられます。ハンマーミルは回転するハンマーで粉砕する装置です。温度上昇を伴うため、熱に不安定なものには適しません。ジェットミルは、高速気流で粒子同士や壁との衝突で粉砕する装置です。要は扇風機の中に入れてしまうようなイメージです。熱に不安定なものにも使うことができます。

分級とは、粒子径により粉体を分ける操作です。ふるいなどが用いられます。ふるいは、10号ふるい、12号ふるいといった号数がついています。号数が大きいほうが、ふるいの目が小さいふるいです。

混合とは、2種類以上の粉体を混ぜ合わせる操作です。V 型混合機や、旋回スクリュー型混合機といった混合装置が用いられます。

造粒とは、ほぼ均一な形状と大きさをもつ粒子をつくるための操作です。造粒法は、大きく3つに分類されます。すなわち、湿式造粒法、乾式造粒法、噴霧乾燥造粒法です。湿式と乾式の違いは、結合剤を使用するかどうかです。

噴霧乾燥造粒法は、原料の水溶液又は懸濁液を噴霧し乾燥又は冷却させて造粒する方法です。いったん溶液にしてしまう点において湿式とも乾式とも異なる方法に分類されています。

湿式造粒法には、撹拌造粒機や流動層造粒機といった造粒装置が用いられます。乾式造粒法には、乾式造粒機などが用いられます。噴霧乾燥造粒法には、スプレ-ドライヤ-などが用いられます。

乾燥とは、湿った固体から、液体を取り除く操作です。通気型乾燥機などが用いられます。

打錠とは、粉末や顆粒を圧縮して、錠剤を製する操作です。単発打錠機や、ロータリー型打錠機が用いられます。ロータリー型打錠機は、大量生産に適した打錠機です。

打錠において問題となるのが、打錠障害と呼ばれる現象です。打錠障害とは、錠剤の表面が破れたり剥がれたりといった現象の総称です。代表的な打錠障害は、キャッピング、ラミネーション、バインディング、スティッキング、ピッキングです。

キャッピングは、錠剤の上部が、帽子のようにとれる横割れです。

ラミネーションは、キャッピングがさらにひどくなったもののイメージです。上部だけでなく、何層にもわたる横割れです。主に乾燥が原因です。

バインディングは、錠剤の側面が傷つく現象です。

スティッキングは、錠剤の上面が傷つく現象です。

ピッキングは、錠剤が欠けてしまう現象です。主に乾燥不足が原因です。

コーティングとは、錠剤などの表面を適切な物質で覆う操作です。パンコーティング装置、流動層コーティング装置などが用いられます。

充てんとは、カプセルに粉末、顆粒、液体の医薬品を充てんする操作です。カプセルが硬カプセルか軟カプセルかによって
充てんの方式が異なります。硬カプセル剤の充てん方法は、Auger 式、Disk 式、Press 式の3つです。

Auger 式は、スクリューで中身を充てんする方法です。

Disc 式は、液体を流動させて満たす方法です。

Press 式は、プレジャーと呼ばれる押し棒で、突き固めて充てんする方法です。

軟カプセル剤の充てん方法は、ロータリーダイス式(打ち抜き法)、二重ノズル法の2つです。

ロータリーダイス式は、外側のシートを、ダイロールと呼ばれる回転部分で薬物溶液に巻きつけることで圧縮成型する方法です。

二重ノズル法(滴下法)は、二重ノズルの内側から薬を、外側から膜液を出して形成管と呼ばれる管でカプセル剤を製造する方法です。

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