代表的な増殖因子とその役割

増殖因子とは、特定細胞の増殖や分化を促進するタンパク質の総称です。成長因子、細胞増殖因子とも呼ばれます。代表的な細胞増殖因子としては、上皮成長因子(EGF:Epidermal Growth Factor)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)があげられます。

EGF の実体は、53aa のタンパク質です。EGF受容体を介して、細胞の成長や増殖を促します。主な産生細胞は血小板です。

VEGF は、一群の糖タンパク質の総称です。大体 100aa ~ 200aa のタンパク質です。血管新生等に関与します。主な産生細胞はマクロファージです。

代表的な分化を促進する増殖因子としては、造血因子があげられます。造血因子は、血球の分化・増殖を促します。具体的には、G-CSF(granulocyte-colony stimulating factor)、M-CSF(Macrophage Colony-Stimulating Factor)、エリスロポエチン、トロンボポエチン があげられます。

G-CSF は、顆粒球コロニー刺激因子と呼ばれる、174aa 及び 177aa の糖タンパク質です。顆粒球産生促進及び好中球の機能を促進します。主な産生細胞は骨髄細胞です。

M-CSFは、マクロファージコロニー刺激因子と呼ばれる、糖タンパク質です。マクロファージ系への誘導、分化を促進します。

エリスロポエチンは、腎臓で合成され、赤血球の分化・増殖を促進する造血因子です。165aa の糖タンパク質です。

トロンボポエチンは、肝臓や腎臓で合成され、血小板形成を促進する造血因子です。332aa の糖タンパク質です。

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