飢餓状態においては、貯蔵糖(グリコーゲン)をまず消費します。体内の糖貯蔵量は、1日必要量にも満たないため、飢餓状態において、他の代謝エネルギー源を用いれる場所はそちらへ切り替えます。具体的には、脂肪酸が用いられる場所はそちらに切り替わります。脂肪組織から脂肪酸が動員されます。筋肉の代謝エネルギー源がグルコースから脂肪酸に切り替わります。こうすることで、グルコースしか利用できない脳などのために、少ないグルコースを回していきます。
飢餓状態が続くと、貯蔵グリコーゲンが底をつき、糖新生速度が増加します。
糖新生の重要な原料は、筋肉の加水分解により生じるアミノ酸です。つまり、筋肉がどんどん分解されていきます。
ある程度以上筋肉を分解すると、必要な運動ができなくなるため、ある程度以上経つと、糖新生もできなくなっていきます。脳にグルコースがどうやっても作れなくなってきます。
次の段階として、脂肪酸を酸化して生じるアセチル CoA からケトン体を合成して、血流に放出します。脳は必要な酵素を合成し、次第にケトン体に適応します。このような適応をしていくため、筋肉も脳も、最悪、脂肪があれば動くといえます。そのため、飢餓時の生存期間は「貯蔵脂肪の量」に依存します。
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