タンパク質の構造は、4つの階層構造を持ちます。すなわち、一次構造、二次構造、三次構造、四次構造です。
一次構造とは、タンパク質を構成するアミノ酸の配列のことです。Ala-Gly-Pro・・・といった記法で表されます。一般的に、アミノ酸配列は、アミノ基末端(N末端)を、1番として左において表します。
二次構造とは、約 10 ~ 20 アミノ酸残基による、ポリペプチド鎖において局所的に見られる、規則的な構造のことです。α - ヘリックス構造や β シート構造などがあります。ポリペプチド鎖のペプチド結合間や、周囲の水分子との水素結合による、かなり安定な立体構造のことです。
※モチーフについて
二次構造の組み合わせとしての局所構造がいくつかのタンパク質で見られることがあり、これをモチーフと呼びます。代表的なモチーフとしては、β-ヘアピンと呼ばれる2つの逆平行 β シート構造が小さなループで結合された構造が挙げられます。
三次構造とは、一分子のタンパク質分子の三次元構造のことです。PDB(Protein Data Bank)により、様々なタンパク質の立体構造を見ることができます。イオン結合、疎水結合、ファンデルワールス力、水素結合、S-S 結合(ジスルフィド結合)など、様々な力により安定します。
※ドメインについて
いくつかのモチーフが集まった局所構造のことをドメインと呼びます。ドメインは構造的、機能的にある程度独立した性質を持ちます。代表的なドメインとしては、ジンクフィンガードメインが挙げられます。
ジンクフィンガードメインは、2 つの逆平行 β シートと、1つの α -ヘリックスからなり、亜鉛イオンを含む局所構造のことです。DNA と結合し、特別な構造モチーフを形成し、遺伝子調節に重要な役割を果たすことが知られています。多くの、転写因子として機能するタンパク質に共通に見られるドメインです。
四次構造とは、三次構造を形成したタンパク質分子がニ分子以上集合した、重合体のことです。言い換えると、比較的少数のモノマー(構成単位。単量体とも呼ばれる。)が集合したオリゴマー構造のことです。四次構造を構成するそれぞれのタンパク質分子は、サブユニットと呼ばれます。
注意すべき点として、タンパク質の立体構造は決して一定のもの、すなわち静的な構造でないことがあげられます。タンパク質は、生体内において、構造のゆらぎを持って存在する動的な存在です。
コメント