アミノ酸の定性および定量試験法

ある試料に、アミノ酸が含まれているかどうかを調べる試験を、アミノ酸の定性試験と呼びます。ある試料に、アミノ酸がどれくらいの量含まれているかを調べる試験を、アミノ酸の定量試験と呼びます。

代表的なアミノ酸の定性試験法は、ニンヒドリン反応、ビウレット反応、キサントプロテイン反応です。

ニンヒドリン反応において用いられる試薬は、ニンヒドリンです。ニンヒドリンは、アミノ酸のアミノ基と反応し、通常、二分子のニンヒドリンと1分子のアミノ酸から、ルーヘマン紫と呼ばれる色素が生成します。但し、プロリンだけは、窒素原子が水素を1個しかもたないため、ニンヒドリン1分子としか反応しません。その反応の生成物は、黄色を示します。

ビウレット反応において用いられる試薬は、アルカリ性溶液中に溶かした硫酸銅です。この反応により、ペプチドやタンパク質といった数個以上のアミノ酸が結合した化合物を検出することができます。ペプチド結合部分が、Cu2+と錯体を形成することにより、赤紫色から青紫色に呈色されます。

キサントプロテイン反応において用いられる試薬は、濃硝酸です。ベンゼン環を持つアミノ酸(チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン)を検出することができる反応です。ベンゼン環が硝酸によりニトロ化されることにより、黄色く呈色されます。

代表的なアミノ酸の定量試験法は、HPLC(High Performance Liquid Chromatography)による定量です。HPLC に関しては 参考) 分析化学まとめました 2-5 を参考にして下さい。

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