コレステロールの生合成経路と代謝

コレステロールとは、ステロイドの 1 種であるステロールの 1 種です。

ステロイドとは、3つのイス型六員環と、1つの五員環がつながった構造を共通構造とした化合物の総称です。ステロールは、ステロイドの中でも、C-3 にヒドロキシ基を有する化合物の総称です。コレステロールの構造式は、以下のような構造です。

コレステロールは、主に2つの重要な役割を担っています。すなわち、細胞膜構成成分としての役割と、ステロイドホルモンの原料としての役割です。

コレステロールは、原料がアセチル CoA 、中間体として HMG-CoA を経てメバロン酸、最終的にコレステロールとして生合成されます。コレステロールの生合成は主に肝臓で行われます。HMG-CoA が、HMG-CoA レダクターゼによりメバロン酸へと還元される段階が、コレステロールの生合成の律速過程となります。

コレステロールは、P450によって酸化されて、コール酸へと代謝されます。コール酸は、代表的な胆汁酸の1つで、胆汁の成分として、脂質の消化吸収を助けます。

ちなみに、コール酸の一部は、腸内細菌により、デオキシコール酸などに代謝されます。腸内細菌などにより代謝された胆汁酸は、二次胆汁酸と呼ばれます。

又、コレステロールは、副腎皮質などで、エストロゲンなどのステロイドホルモンへと代謝されます。

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