ホルモンの分泌機構及び作用機構

ホルモンとは、動物体内の組織や器官の活動を調節する生理的物質の総称です。

ホルモンの血中濃度は、ほぼ一定に保たれています。これは、負のフィードバック機能により、分泌が調整されているからです。すなわち、あるホルモンが放出されたことを上位の器官が刺激としてうけとると、ホルモンの放出を抑制するようになっており、あるホルモンが減少したことがわかると、ホルモンが放出されるようになっているということです。

では、放出されたホルモンがどのように実際の組織や器官に作用するかといいますと、これは大きく 3 種類のメカニズムに基づきます。

1つめのメカニズムは、ホルモンが細胞膜を通過して細胞質内に入り、核内受容体などと結合することで遺伝子活性化を引き起こし、ホルモン作用を発揮するというものです。このメカニズムで働く代表的なホルモンは、ステロイドホルモンです。

2つめのメカニズムは、標的細胞の細胞膜上の受容体(G タンパク質)と結合して、細胞膜内のアデニル酸シクラーゼを活性化することで cAMP の細胞内濃度上昇を引き起こし、これをきっかけとしてホルモン作用を発揮するというものです。このメカニズムで働く代表的なホルモンは、グルカゴンです。

3つめのメカニズムは、細胞膜上のチロシンキナーゼ受容体と結合することで、細胞内におけるタンパク質のリン酸化を促すことにより、ホルモン作用を発揮するというものです。このメカニズムで働く代表的なホルモンは、インスリンです。

以上のように、ホルモンの作用のメカニズムは、細胞内までホルモンが入りこむかどうか 及び 細胞膜においてどのような種類のタンパク質と相互作用するかという点から分類されています。

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