国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問86解説

 問 題     

ヒトの耳に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 耳は、外耳・中耳・内耳に区分され、このうち外耳は聴覚のみを担い、中耳と内耳は平衡感覚と聴覚を担っている。

㋑ 内耳の前庭に存在する球形嚢と卵形嚢の有毛細胞が耳石を動かすことで、回転加速度が感知される。

㋒ 中耳には、つち骨、きぬた骨、あぶみ骨の順に連結された耳小骨があり、これらは鼓膜に伝わる空気振動を増幅して内耳に伝える働きを担っている。

㋓ 外耳は耳介と外耳道から成り、外耳道と中耳の境目に鼓膜がある。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

外耳・中耳は音を振動としてキャッチしそれを伝えます。伝音系と呼ばれます。内耳は振動を電気信号に変換させ、神経・脳へとつたえ音として感知・認識します。感音系と呼ばれます。


㋐ ですが

平衡感覚を担うのは「内耳」です。中耳ではありません。㋐ は誤りです。

㋑ ですが
内耳の前庭系には、回転角加速度の受容器である半規管と、直線加速度の受容器である 耳石器 (卵形嚢・球形嚢) があります。「耳石の動き」は「回転速度」の感知ではありません。㋑ は誤りです。

㋒ は妥当です。
中耳についての記述です。

㋓ は妥当です。
外耳についての記述です。

 

以上より、正解は 5 です。

参考 眼、耳、鼻の機能と構造
https://yaku-tik.com/yakugaku/sk-1-11-1/

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