国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問57解説

 問 題     

大気・室内環境に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

 

㋐ 微小粒子状物質 (PM2.5) は、粒径 2.5 nm より大きい粒子を 100 % 除去した後に残る粒径分布の粒子である。

㋑ 大気中粒子状物質は粒径などに応じて分類され、溶接等作業中に発生する酸化亜鉛 ZnO はヒュームである。

㋒ 厚生労働省は、揮発性有機化合物である酢酸エチルについて室内濃度指針値を示している。

㋓ 室内環境に影響する物理的要因であるカタ冷却力は、人の平温 (36.5 ℃) に等しい温度における、その周囲の空気の冷却力である。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
「大気中に浮遊する粒径 2.5 μm 以下の粒子」が「PM 2.5」です。粒径 2.5 µm の粒子を50 % の割合で分離できる分級装置を用いて、より粒径の大きい粒子を除去した後に採取される粒子でもあります。「粒径 2.5 nm より大きい粒子を 100 % 除去した後に残る粒径分布の粒子」ではありません。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
ちなみに 固体粒子で粒径が 1 µm 以下の場合をヒューム、液体粒子で 10 µm 以下のものをミストと呼びます。

㋒ ですが
揮発性有機化合物 (VOC) に関して、ホルムアルデヒドやパラジクロロベンゼンなどについては濃度指針値がありますが、酢酸エチルについては、本試験時点において指針値はありません。㋒ は誤りです。

㋓ は妥当です。
カタ冷却力についての記述です。


以上より、正解は 4 です。

類題 薬剤師国家試験 107回 問141
https://yaku-tik.com/yakugaku/107-141/

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