国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問53解説

 問 題     

錠剤の打錠中に起こる障害 ㋐ ~ ㋓ のうち、滑沢剤が過量に添加されることにより引き起こされるものとして妥当なもののみを挙げているのはどれか。


㋐ キャッピング
㋑ ラミネーション
㋒ スティッキング
㋓ バインディング


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当です。
キャッピングは、錠剤の上部が帽子のようにとれる横割れです。キャッピングは「滑沢剤の過剰」や、「結合剤不足」が原因で起きる打錠障害の一つです。

㋑ は妥当です。
ラミネーションは、キャッピングがさらにひどくなったもののイメージです。そのため、キャッピングと同様に滑沢剤の過剰などが原因となります。

㋒ ですが
スティッキングは、錠剤の上面が傷つく現象です。試料の付着力が強いため、杵面に試料が付着し固結して錠剤が剥離する現象で、打錠用顆粒の乾燥不足や、結合剤の過剰が原因です。「滑沢剤の過剰」ではありません。㋒ は不適切です。

㋓ ですが
バインディングは、錠剤の側面が傷つく現象です。スティッキング同様、打錠用顆粒の乾燥不足や、結合剤の過剰が原因です。「滑沢剤の過剰」ではありません。㋓ は不適切です。


以上より、正解は 1 です。

参考 製剤化の単位操作および汎用される製剤機械
https://yaku-tik.com/yakugaku/sz-2-2-1/

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