国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問5解説

 問 題     

フェノール (C6H5OH) に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.常温常圧で無色、無臭の液体で、トルエンに比べると融点・沸点ともに低い。

2.反応性が小さく、ハロゲンを作用させてもベンゼンのような付加反応や置換反応は起こりにくい。

3.一部の分子から OH 基が水酸化物イオンとして電離するため水溶液はアルカリ性を示すが、アンモニアよりも弱い塩基である。

4.フェノールの誘導体はさらし粉の水溶液を加えると特殊な呈色反応を示し、例えばフェノールの場合は赤紫色を呈する。

5.ベンゼンとプロペンを触媒存在下で反応させ、生成物を酸素で酸化した後、希硫酸で分解することによりアセトンとともにフェノールが生成する。

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

選択肢 1 ですが
フェノールは常温常圧で「固体」です。液体ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
フェノールのハロゲン化は容易に進行します。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
フェノールは弱い酸です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
さらし粉で呈色される代表例はアニリンです。フェノールで呈色はされないと考えられます。選択肢 4 は誤りです。


以上より
選択肢 1 ~ 4 誤りなので、正解は 5 です。

類題 R1no31 ヒドロキシ基をもつ化合物の性質及び反応
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-r1-31/

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