国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問43解説

 問 題     

カイニン酸水和物 (C10H15NO4・H2O) に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、下線部が妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ カイニン酸水和物を酢酸に溶かし臭素試液を加えると、試液の色が消える。

㋑ カイニン酸水和物はニンヒドリンと反応して紫色を呈する。

㋒ カイニン酸水和物に不純物として含まれる重金属の限度を調べるには、硫化ナトリウム試液を検液と比較液に加え、硫化鉛などによる沈殿(混濁)を比較する。

㋓ カイニン酸水和物に不純物として含まれる硫酸塩の限度を調べるには、硫酸バリウム試液を検液と比較液に加え、両者の混濁を比較する。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当です。
二重結合部分に注目すれば妥当と判断できるのではないでしょうか。正解は 1 or 2 です。

㋑ ですが
ニンヒドリン反応で、第二級アミン (イミノ酸) のアミノ酸は黄色に呈色です。「紫色」ではありません。㋑ は誤りです。選択肢 1 は誤りです。これで ㋒ は妥当とわかります。

㋓ ですが
硫酸塩試験法によれば、加えるのは「塩化バリウム」です。硫酸バリウムではありません。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 2 です。

類題 H29no46 カイニン酸水和物
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-29-46/

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