国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問23解説

 問 題     

球状分子の平均自由行程 λ は気体分子運動論より

で表される。ここで、π は円周率、ρ は分子の数密度、d は分子の直径である。

ある理想気体が直径 0.30 nm の球状分子から成るとき、この分子の 410 K、1.0 × 105 Pa における λ はおよそいくらか。ただし、π = 3.1、 √2 = 1.4、ボルツマン定数を 1.4 × 10-23 J・K-1 とする。


1. 4.5 × 10-8 m
2. 1.5 × 10-7 m
3. 4.5 × 10-7 m
4. 1.5 × 10-6 m
5. 4.5 × 10-6 m

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

数密度 とは
ある体積 V に何個 分子があるかを表します。ρ = N/V…(1) です。

アボガドロ定数を NA とおきます。
個数 N:物質量 × アボガドロ定数なので、N = n × NA です。

(1) に代入すると
ρ = n × NA/V…(2) と表すことができます。

理想気体の状態方程式 PV = nRT より
n/V = P/RT です。

(2) に代入すれば、ρ = P × NA/RT です。ここで、ボルツマン定数 k = R/NA なので ρ = P/kT と表せます。これで準備ができました。後は、問題文の式に数値代入して整理をすれば、大体 1.5 × 10-7 m とわかります。以下、計算過程です。

以上より、正解は 2 です。

類題 H27no23 平均自由行程
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-27-23/

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