国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問98解説

 問 題     

ヒトの遺伝病と、その原因となる対立遺伝子の正常対立遺伝子に対する遺伝様式に関する次の組合せのうち、最も妥当なのはどれか。

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

ヒトの染色体数は 46 本で 1 セットです。1 番から 22 番までの常染色体が 2 本 1 組で 44 本と、 X、Y という名の性染色体が 2 本です(男性は XY、 女性は XX の組み合わせ)

選択肢 1 ですが
フェニルケトン尿症(PKU)は 12 番染色体に位置する PAH 遺伝子の変異に基づく遺伝性疾患で、常染色体劣性遺伝形式をとる先天代謝異常症です。「不完全優性」ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
鎌状赤血球症の原因遺伝子は、11番染色体の HBB 遺伝子です。そのため「X 染色体」ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
嚢胞性線維症は、第 7 染色体上に存在する CFTR という遺伝子の 変異 が原因です。そのため「X 染色体」ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
血友病は、X 連鎖劣性遺伝の遺伝病です。伴性遺伝する遺伝病の例として知られています。「常染色体」ではありません。選択肢 4 は誤りです。


以上より、正解は 5 です。

類題 H29no97 遺伝病
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-29-97/

 

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