問 題
タンパク質の構造研究のための手法に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
㋐ X 線結晶構造解析では、結晶中の原子核によって散乱された X 線が互いに干渉することにより検出される回折像から、非常に高い分解能域での解析が可能であり、詳細なアミノ酸残基の位置の特定ができる。
㋑ 核磁気共鳴 (NMR) 法では、溶液中にあるタンパク質の立体構造において近接するプロトン対の情報から分子動力学計算を行うことにより、エネルギー的に最も安定な構造を決定する。
㋒ 電子顕微鏡法では、電子線は X 線に比べて物質との相互作用が強いため、二次元結晶のトモグラフィーから立体構造情報を得ることができ、元来、二次元的な生体膜環境にある膜タンパク質の構造解析ができる。
1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋑、㋒
4.㋑、㋒
5.㋒
正解.4
解 説
㋐ ですが
散乱 X 線は、照射した X 線が電子の影響を受けることにより散乱した X 線です。原子核によって散乱されたものではありません。㋐ は誤りです。
㋑ は妥当です。
核磁気共鳴 (NMR) 法についての記述です。
㋒ は妥当です。
電子顕微鏡法についての記述です。
以上より、正解は 4 です。
参考 電離放射線の種類、物質との相互作用
https://yaku-tik.com/yakugaku/bk-1-4-2/
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