国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問38解説

 問 題     

精留塔に関する次の記述の㋐、㋑に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「60 mol % のエタノール水溶液を第 1 精留塔に 100 kmol・h-1 で供給し、塔頂より 90 mol % のエタノール水溶液を 40 kmol・h-1 で留出させた。塔底缶出液は、別系統から 40 kmol・h-1 で送られてくる 20 mol % のエタノール水溶液と混合され、第 2 精留塔へ原料として供給される。

第 2 精留塔では、塔頂より 80 mol % のエタノール水溶液を 20 kmol・h-1 で留出させる。このとき、第 1 精留塔の缶出液のエタノール組成は ㋐ mol %、第 2 精留塔の缶出液のエタノール組成は ㋑ mol % である。」

  ㋐ ㋑
1. 10 20
2. 30 13
3. 30 20
4. 40 13
5. 40 20

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

エタノール、水それぞれの物質収支に注目します。

【第1精留塔】
in エタノール 60kmol/h
out 塔頂 36kmol/h、out 缶出 60-36 = 24kmol/h

in 水 40kmol/h
out 塔頂 4kmol/h、out 缶出 36kmol/h です。

従って、第1精留塔の缶出液の組成は、エタノール 24kmol/h + 水 36kmol/h です。全体で 60kmol/h で、エタノールが 24kmol/h なので、40mol % です。正解は 4 or 5 です。

別系統から入ってくるのが、エタノール 8kmol/h、水 32kmol/h です。
第2精留塔では、エタノールに関して
out 塔頂 16kmol/h、out 缶出 24(第1精留塔からの in)+8(別系統からの in) – 16 = 16kmol/h です。

同様に、水に関して
out 塔頂 4kmol/h、out 缶出 36 + 32 ー 4 = 64kmol/h です。

従って、第2精留塔の缶出液の組成は、エタノール 16kmol/h + 水 64kmol/h です。全体で 80kmol/h で、エタノールが 16kmol/h なので、20mol % です。

以上より、正解は 5 です。

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