国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問37解説

 問 題     

炭素 90.0 wt % と灰分(無機物質)10.0 w t% から成るコークスを空気中で燃焼させたところ、燃焼ガスの組成は次のようになった。

N2:78.6 mol%、CO2:14.0 mol%、CO:1.00 mol%、O2:6.40 mol%

また、燃え殻中の灰分と未燃焼炭素の質量比は4:1 であった。このとき、燃焼ガスを100 kmol
発生させるのに必要なコークスの質量はおよそいくらか。ただし、炭素の原子量を12.0 とする。

1. 100 kg
2. 156 kg
3. 185 kg
4. 206 kg
5. 276 kg

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

1~2行目からわかるのは「コークスが 100g あったら、C が 90g」ということです。

燃え殻中の灰分と未燃焼炭素の質量比が 4:1という部分からわかるのは「コークスが 100g あったとして、灰分は結局重さ変わらないから 10g。C は 90g あるけど、2.5g は使われずに燃え殻に出てくる」ということです。言い換えると、コークス中の C の利用率 87.5% ということです。

燃焼ガスの組成の C が関係する所に注目すれば、CO2 14.0 mol%、CO 1.00 mol% なので、合わせて 15.0 mol% です。燃焼ガスが 100k mol あれば、これらのガスは 15k mol 含まれるとわかります。

C はコークスから供給されているため、コークス中に C が 15k mol 以上必要です。C 15k mol = 15 × 12 = 180 kg です。利用率 87.5% なので、実際に必要なコークスの量は 180 ÷ 0.875 なので、200 強です。選択肢から選ぶと 206kg となります。

以上より、正解は 4 です。

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