国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問26解説

 問 題     

電気分解に関する次の記述の ㋐~㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。ただし、ナトリウムの原子量を 23.0 とする。

「炭素電極を用いて ㋐ を電気分解すると、 ㋑ から液体のナトリウム金属が、㋒ から塩素ガスが生成する。この電気分解により、11.5 g のナトリウム金属が生成したとき、 ㋒ から生成する塩素ガスの物質量は ㋓ mol である。」

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

※カソードは、真空管や電気分解では負極、電池の場合は正極。
※アノードは、カソードの逆。 本問は、電気分解の話。

㋐ ですが
NaOH 水溶液とすると、負極(カソード)から出てくるのが 2H+ + 2e → H2 で、水素ガスのはずです。従って、㋐ は溶融塩化ナトリウムです。正解は 1 ~ 3 です。

㋑、㋒ ですが
負極(カソード)から出てくるのは、Na+ + e → Na と考えられます。㋑ が「カソード」です。ちなみに、正極(アノード)では、2Cl → Cl2 + 2e で塩素ガスが生成します。正解は 1 or 3 です。

㋓ ですが
まず、11.5g のナトリウムは 0.5 mol です。すると流れた電子も 0.5 mol です。そして、塩素ガスと電子のモル比は、正極(アノード)の式の係数比より2:1です。つまり 塩素ガス 0.25 mol が生成します。

以上より、正解は 1 です。 

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