国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問18解説

 問 題     

次に示す反応の平衡定数に関する記述 ㋐~㋓ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。ただし、それぞれの気体を理想気体とし、アンモニアの標準生成エンタルピーを -46 kJ・mol-1 とする。

㋐ 反応開始時の反応系の濃度を変化させると濃度平衡定数の値は変化する。
㋑ 反応系の温度を変化させると圧平衡定数の値は変化する。
㋒ 触媒を反応系に加えると圧平衡定数の値は変化する。
㋓ 濃度平衡定数の値と圧平衡定数の値は常に等しい。

1.㋐
2.㋐、㋒
3.㋑
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
濃度平衡定数とは、単に平衡定数とも言われることのある、それぞれの濃度に関する平衡定数のことです。反応の種類、及び温度により決まる定数です。反応系の濃度を変化させても、平衡定数の値は変化しません。

㋑ は妥当な記述です。

㋒ ですが
触媒を加えても、平衡定数は変化しません。

㋓ ですが
常にではありません。化学反応の係数の和が、左辺と右辺同じ場合のみ、Kp = Kc が成立します。

以上より、正しい記述は ㋑ です。正解は 3 です。

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