国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問99解説

 問 題     

分子時計を用いた分岐年代推定に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 較正点がなければ、絶対年代を得られない。
㋑ 塩基配列がなければ、分子時計を用いた分岐年代推定はできない。
㋒ 遺伝子が中立進化をしていることが、分子時計を用いるための条件である。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋑、㋒
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。
分子時計を用いた分岐年代推定は、生物間の分子的な違いを比較し、進化の分岐を推定することです。そのため、相対的な前後しかわからないため「西暦 500 年に分岐」といった絶対年代を単独では得られません。

㋑ ですが
タンパク質のアミノ酸配列の比較などでも推定が行われています。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
分子時計を用いるための条件は「全ての動物の塩基置換が一定速度でおきる」です。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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