国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問89解説

 問 題     

細胞膜に関する記述 ㋐〜㋓ のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 細胞膜では重量のほぼ50 % をタンパク質が占めており、その割合はミトコンドリア内膜においてタンパク質が占める割合よりも大きい。

㋑ 脂質二重層は内層(細胞質側)と外層(細胞外側)で組成が異なる。ヒト赤血球ではホスファチジルイノシトールは内層に、糖脂質は外層にそれぞれ多く存在する。

㋒ リン脂質を構成する脂肪酸の炭化水素鎖が短いほど、また、不飽和度が高いほど、細胞膜の流動性は増す。

㋓ ヒト赤血球では、スペクトリンを主要成分とする網目構造が、細胞を外側から包み込むことで細胞膜を安定化させている。

1.㋐、㋒
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
ミトコンドリア内膜には、電子伝達系に関与するタンパク質が多く存在するため、重量比がより大きくなると考えられます。よって、㋐ は誤りです。

㋑、㋒ は妥当な記述です。

㋓ ですが
スペクトリンによる網目構造の「外側」が脂質二重膜です。よって、㋓ は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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