国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問73解説

 問 題     

細胞内情報伝達におけるセカンドメッセンジャーに関する記述 ㋐〜㋓ のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ cAMP は、プロテインキナーゼ A を活性化し、タンパク質のリン酸化を促すことで情報を下流に伝える。

㋑ アデニル酸シクラーゼが cAMP を加水分解するとシグナルが消去されるので、その阻害剤によりシグナルを持続させることができる。

㋒ ホスファチジルイノシトール 4、5ービスリン酸の加水分解で生成されるイノシトール1、4、5ートリスリン酸は、親水性で、細胞質を拡散してシグナルを伝達する。

㋓ ホスファチジルイノシトール 4、5ービスリン酸の加水分解で生成されるジアシルグリセロールは、細胞膜上の Ca2+ チャネルに作用し、チャネルを開口させる。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。

㋑ ですが
アデニル酸シクラーゼ(AC) により、ATP から cAMP が生成されます。AC が cAMP を 加水分解するわけではありません。よって、㋑ は誤りです。

㋒ は妥当な記述です。

㋓ ですが
ジアシルグリセロール(DG)は、プロテインキナーゼ C を活性化します。細胞膜上の Ca2+ チャネル開口ではありません。よって、㋓ は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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