国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問34解説

 問 題     

次の反応 ㋐、㋑、㋒ を収率良く進行させるためにより適した反応条件を、それぞれの a、b から選び出したものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

 ㋐ ㋑ ㋒
1. a a a
2. a b a
3. b a a
4. b a b
5. b b b

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
ハロゲンは不活性ですが o-p 配向性を示します。従って、先に臭素化してしまうと、メタ位に NO2 はつかないと考えられます。「先にニトロ化」で、m 配向性のニトロ基を導入するのが妥当です。b です。正解は 3 ~ 5 です。

㋑ ですが
a ではケトンの還元でアルコールになると考えられます。ケトン→アルカンの還元なので、ヒドラジン を用いた Wolff-Kishner (ウォルフ・キシュナー)還元が妥当と考えられます。 b です。

㋒ ですが
a だと メチル基のない方に OCH3 が主に求核攻撃して、生成物は 2 級アルコールと考えられます。よって b です。

以上より、正解は 5 です。

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