国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問22解説

 問 題     

ガラスに関する記述㋐、㋑、㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 水晶では、結晶に特徴的な長距離秩序が存在している。非晶質の石英ガラスにおいては、長距離秩序は見られないものの、短距離秩序が存在している。

㋑ ガラス形成物質の融液を冷却する際、凝固点において結晶化しない場合には過冷却液体となる。この場合、凝固点において液体の体積が不連続に大きく変化する。

㋒ 網目形成成分としてアルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物を石英ガラスに加えると、ガラスの軟化点が上昇する。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑
5.㋑、㋒

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。
結晶では、長距離秩序、短距離秩序共に存在します。

㋑ ですが
過冷却→ガラス転移で、体積は「連続的」に変化します。「凝固点において不連続に変化する」という記述は妥当ではありません。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
軟化点は低下します。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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