国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問21解説

 問 題     

相律に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。ただし、いずれの系も平衡に達しているものとする。

㋐ 液体の水と液体の四塩化炭素を一つの容器に入れ、ヨウ素を完全に溶解させた。100 kPa におけるこの液相のみから成る系の自由度は 2 である。

㋑ リン酸と水酸化ナトリウムを溶質とした水溶液がある。100 kPa におけるこの液相のみから成る系の自由度は 3 である。

㋒ 水のみを封入した密閉容器がある。この容器の内部の圧力を 101.325 kPa、温度を273.16 K に保つと、水蒸気、氷及び液体の水を共存させることができる。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。
F = C – P + 2 です。
成分数は 3 です。水と四塩化炭素は混ざり合わないため、ニ相です。従って、F = 3 – 2 + 2 = 3 です。圧力が決まっているので自由度が1減って、自由度 2 となります。

㋑ は妥当な記述です。
成分数は 3 です。(リン酸、水酸化ナトリウム、水)。全部混ざって1相なので F = 3 – 1 + 2 = 4 です。圧力が決まっているので自由度が 1 減って、自由度 3 となります。

㋒ ですが
水の三重点は、温度0.01℃、「圧力 610.6 Pa」です。101.325 kPa ではありません。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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