国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問4解説

 問 題     

硫酸銅(Ⅱ)五水和物 CuSO4・5H2O のように、結晶の構成要素として水分子を含むものを水和物といい、結晶に含まれる水分子を水和水という。水和水のない硫酸銅(Ⅱ)CuSO4 を水に溶かしてから結晶を析出させると、水和物 CuSO4・5H2O が得られる。

硫酸銅(Ⅱ)は、100 g の水に対し、60 ℃ では40 g、20 ℃ では20 g 溶解する。60 ℃ の硫酸銅(Ⅱ)飽和水溶液210 g を20 ℃ まで冷却したときに析出する硫酸銅(Ⅱ)五水和物の質量はおよそいくらか。ただし、CuSO4、CuSO4・5H2O の式量は、それぞれ160、250 とする。

1. 34 g
2. 42 g
3. 53 g
4. 66 g
5. 104 g

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

60 ℃ において、水 100g に 40g 硫酸銅が溶けるので、飽和水溶液は 140g です。飽和水溶液が 210g であれば、水が 150g、硫酸銅が 60g とわかります。ポイントは、冷却して析出するのが硫酸銅ではなく「硫酸銅五水和物」なので、水の量が変わるということです。

析出した硫酸銅五水和物 の量を x g とおきます。分子量から、この x g は、0.64x が 硫酸銅で、0.36x が水です。従って、20 ℃において水が 150 ー 0.36x硫酸銅が 60ー0.64x です。

飽和水溶液であることは変わらないはずなので、20 ℃において、水:硫酸銅は 5:1 です。150ー0.36x:60ー0.64x = 5:1 を解くと x = 150/2.84 となります。50 より少し大きいぐらいなので、選択肢を見れば およそ 53g です。

以上より、正解は 3 です。

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