問 題
DNA 複製に関する記述㋐〜㋓のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。
㋐ ヒト染色体は複数のレプリコンに分かれているが、大腸菌の染色体は1 個のレプリコンである。
㋑ 複製フォークの前方に正の超らせん構造が生じるが、DNA ヘリカーゼが DNA 鎖に切れ目を入れてこれを解きほぐす。
㋒ ラギング鎖の複製の際にはプライマーRNA が必要であるが、リーディング鎖の複製にはプライマーRNA は必要ない。
㋓ ラギング鎖の複製の際には岡崎フラグメントが合成されるが、その長さは大腸菌とヒトで異なる。
1.㋐、㋑
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓
正解.2
解 説
㋐ は妥当な記述です。
レプリコンとは、連続的に複製される遺伝物質の構造単位のことです。ヒト染色体は 複数あるため、「複数のレプリコン」です。大腸菌は環状 DNA を有します。環状 DNA は 1つの大腸菌に 1 個なので「1個のレプリコン」です。
㋑ ですが
超らせん構造を解消するのは、DNA「トポイソメラーゼ」の一種である「ジャイレース」です。「ヘリカーゼ」は、「2本鎖をほどく」酵素です。よって、㋑ は誤りです。
㋒ ですが
リーディング鎖にもプライマーは必要です。よって、㋒ は誤りです。
ちなみに、「複製」なので、合成されるのは 「DNA」 ですが、プライマーは、プライマー「RNA」で正しい記述です。
㋓ は妥当な記述です。
以上より、正解は 2 です。
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