国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問48解説

 問 題     

関節リウマチ治療薬に関する記述㋐〜㋓のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ メトトレキサートは、カルシニューリンを介して NFAT(活性化 T 細胞の核内因子)の核内への移行を阻害することにより、ILー2 の産生を抑制する。
㋑ サラゾスルファピリジンは、高親和性ILー2 受容体の CD25 と結合して、T 細胞の活性化を抑制する。
㋒ アバタセプトは、抗原提示細胞の CD80 と CD86 に結合して、T 細胞の活性化を抑制する。
㋓ エタネルセプトは、TNF 受容体とヒト IgG1 の Fc 領域を結合した融合タンパク質で、炎症を抑制する。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
カルシニューリンを介して NFAT の核内移行を阻害するのは、シクロスポリンやタクロリムスです。メトトレキサートの作用機序は葉酸代謝拮抗による免疫抑制です。よって、㋐ は誤りです。

㋑ ですが
サラゾスルファピリジンの作用機序は、本試験時点で明確には解明されていません。大部分は大腸に運ばれ、そこで腸内細菌の作用をうけ、5-アミノサリチル酸とスルファピリジンに分解・
吸収される薬です。治療活性部分は 5 -アミノサリチル酸とされています。よって、㋑ は誤りです。

㋒、㋓ は妥当な記述です。

以上より、正解は 5 です。
類題 98-259

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