国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問38解説

 問 題     

蒸留に関する次の記述の㋐、㋑に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「蒸留塔を全還流で運転すると、還流比 R は ㋐ となり、このときの塔段数を最小理論段数 Nm と呼ぶ。変形したラウールの式

で気液平衡を表すことができ、a が一定とみなせる場合は、解析的に Nm を求めることができる。留出液と缶出液の低沸点成分のモル分率(組成)を、それぞれ xD、 xW とすると、

となる。」

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
蒸留で一度蒸気になったものを凝縮させて蒸留塔に戻すことを還流といいます。 還流量を LR とするとき、留出量 D との比 LR/D が還流比です。従って、D = 0 であれば、還流比は∞です。正解は 4 or 5 です。

㋑ ですが
最小理論段数を求めるフェンスケの式です。なんとなく見たことがあれば「log の中身はちょうどひっくり返っている感じだったはず・・・」ぐらいでよいと思います。

ちなみに導出は
ラウールの式から XD/1-XD = αx1/1-x1 、以下、(x2,x1) についても同様 にX1/1-X1 = αx2/1-x2、、、と成立するため、次次代入すれば XD/1-XD = αNmin xw/1-xw となります。これを整理して ln をとれば導出できます。

以上より、正解は 5 です。

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